鳥たちのいえ

フランスから来た墨絵−Black ink silence−

鳥取に来ることができてとても光栄です。幼少期に日本の漫画を初めて知った私の世代のフランス人にとって、日本は神秘的な夢です。私の画業は漫画に直接的にインスパイアされているわけではありませんが、作品のアプローチや構図に確かな影響を感じられるはずです。

今回の鳥取での最初の展覧会では、フランスで制作した大判の黒インクによるドローイング作品(130×110㎝)のシリーズで旅をし、その後2つ目の展覧会に向けて、滞在中に現場でいくつかのプロジェクトを制作する予定です。まずは、「父の暦」で谷口ジローが描いた鳥取の風景を、黒いフェルトペンで描いてみたいです。

また、思いがけないものからその場でひらめきを得るために、城跡などのテーマが決まっていない題材も描きたいです。夕暮れ時、目の前の夕日を水彩画で描きその場で破ってみたいです。また、ドローイングや水彩画と一緒に展示するために、水中に沈む残骸のかけらや私的なオブジェや題材も探したいです。

エマニュエル・レジャン

パリと南仏ヴィルフランシュ・シュル・メールを拠点に活動する素描家、彫刻家、画家。2001年にパリ国立高等美術学校を卒業後、フランス国内外で個展を開く。モノクロ画を紙やすりで削る、水彩画を引き裂く、水中で難破船の破片を採取、黒いサインペンで人々の列や海岸の岩・遺跡や廃墟となった現代都市を長時間かけて描くなど多様な創作を展開。

この展覧会の鳥の演劇祭16での紹介はこちら

関連キーワード