鳥たちのいえ

Crossing the barriers of meaning

鳥の演劇祭で二つの展示をする。一つは私の通常の作品、もう一つは鳥取の滞在の間に鳥取との関わりで生まれる作品。10年以上の間、私は記号の脱構築をやってきた。それは文字のドローイング、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなどの形で、ユーモアを伴いつつ、意味というものについて考え直すものだった。私は日本語を読めないし書けない。その知らないことを生かして、新しい意味や置き換えられた意味を生み出せたらと思う。滞在の間、新しい形の平仮名や俳句を含む彫刻を生み出し、言葉がわからない外国人だから感じられる意思疎通なしのレベルを見つめる写真を撮り、詩的で一風変わった看板や標識を町に作れたらと思っている。理解という概念を問い直す今回の作品は、人と人のあいさで起こりうる理解に基づく楽しい問いとして理解されなければならない。それは文化の壁を越え、意味の壁を越えることで、この演劇祭のテーマである「とべ」と共鳴するのだ。(ジャンフランソワ・ギヨン)

ジャンフランソワ・ギヨン

彫刻、ドローイング、写真、詩のレタリングなど様々な手法で文字を用いた作品を制作する。パリ国立高等美術学校(ボザール・ドゥ・パリ)で学び、1999年、初の個展を開催。近年はレジデンスプログラム等に参加し、高校に設置されたパブリックアート作品事業や展覧会のキュレーション等も幅広く手がける。また舞台芸術にも取り組み、現代舞踊の振付家らと共同作業を行なったり、演出家ディディエ・ガラスと多数の作品制作を行う。鳥の劇場『友達』舞台美術を担当した。

鳥の演劇祭

2008年より毎年開催している国際演劇祭。今年で15回目となる。鳥取市鹿野町の美しい街並みと豊かな自然を背景に、演劇上演、美術展示、レクチャー、ワークショップなどがプログラムされ、カフェやショップもオープンし一日を通して楽しむことができる。今年はアメリカとフランスからアーティストを招く。鹿野町城下町エリアで開催の「週末だけの町の店」(いんしゅう鹿野まちづくり協議会主催)と同時開催により、幅広い集客があり、鳥取県を代表する秋のアートイベントである。

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